EFL Club 校長 ローラのコラム

設立者で校長である私ローラが、子供が英語を習得する道のりなどを書いていきますのでぜひお読みください!

流暢さの促進<読み・書き>

もちろん、聞き話し以外にも読み書きの流暢さを身につけることはとても重要です。早く読めたり書けると、小説、海外の漫画、インターネットなど、英語が一層楽しくなりますし、レッスン以外の時でも英語に触れることができます。また、将来のキャリアにも大変役に立ちます。

 

でも、読み書きは自然と身に付く能力ではありません。聞き話しは環境から学びますので、乳幼児は特に子どもたちは生の英語を週1回でも聞くだけで聞き話し能力が自然と身に付きますが、読み書きは学習する必要があります。外国語だけではなく、母国語でも同じです。 ナチュラルスピードの日本語が聞けない人、ぺらぺら話せない人はいないでしょう。でも、読み書きができない人や得意じゃない人はたくさんいます。

 

最近、人間が読む時のメカニズムがよく研究されていて読むのが早い人の特徴が正確にわかってきました。昔、読むのが速い人は意味のある単語(犬、赤、泣くなど)だけを読んで、文法の役割を持つ単語(まで、を、そのなど)を飛ばすとされていましたが、コンピューターと目の動きを計る機械を使って、母国語の長文を読む参加者の目の動きを観察して、読むスピードを計る実験でリーディングの実態がわかりました。

 

読むのが上手な人は約95%の単語に目が一回留まります。飛ばしながら読んでいる訳ではありません。また、目の左から右へ(言語によって上から下へ)の動きはスムーズではなく、単語から単語へと小さなジャンプして動いています(これを読んでいる人は今自分の目の動きを確かめていませんか?笑)。ジャンプした後に留まった単語に目の焦点を合わせるのに最短0.2秒かかりますので、どんなに速い人でも身体的に1分に300語までしか読めません。もちろんここでは通常のリーディングのことを述べていて、単語を飛ばしながら意味を想定するスピードリーディングは焦点を合わせる回数が少なくなるためもっと速く読めます。どの人でも単語を読み間違えたり、内容が理解できなかったために、既に読んだ部分をもう一度読み直すことがありますが、読むのが上手な人でも、100語を読んだうちに15回読み直します。

 

では、読むのが遅い人はどうでしょう?遅い人は、目が0.2秒以上長く単語に留まったり、ジャンプが必要以上多くなったり、読み直す回数が15回以上あったりするなど、スピードを落とす要因が多く見られます。目が単語に留まる時間が0.2秒以上長い原因は、単語の意味や読み方を思い出すのに時間がかかるからです。単語の認識(瞬間的に読む能力)が低い人は、目が単語から単語へとジャンプするのではなく、音節から音節へ、文字から文字へと動いて読みます。 特に低い人(外国語の初心者や、母国語の文字を習い始めた幼稚園児など)の場合だと、文字の部分を確認しながら読む事が多いです。例えば、丸みが左なのか(d)右なのか(b)、点があるのか(お)ないのか(あ)。そうすると1つの単語を読むのに、2、3、4回以上でもジャンプする必要があります。文字、音節や文字の部分に目が留まる度に、目の焦点を改めて合わせ直す必要がありますので単語を読むのに0.5秒、1秒、2.5秒などと長くなります。当然読むのが遅い人は全体の理解が低くなるため、読み直す回数が増えるので、読むスピードがさらに落ちます。

 

ということで、読むこと(従って書くこと)が得意じゃない主な理由は、文字の認識が低いことです。運動能力が高い人、低い人、音楽の才能が高い人、低い人などの様に文字の認識は人によって異なります。子どもを対象とする仕事を15年間してきて、文字の認識を含むすべての才能は生まれつきのものであることがわかってきました。幸いスタートラインはみんなそれぞれ違いますが、努力すれば高める事は可能です。

 

但し、できることが好き、できないことをしたがらない、というのが人間の特徴です。文字の認識能力が高くない人は文字が好きじゃないので、読み書きをやりたがりません。また文字の認識が高くないと読むスピードが遅く、遅いと読んだ内容の理解が低くなります。そのために読書の楽しさをなかなか味わえなくて、自ら読もうとしません。そして、あまり読まないから文字の認識が高くならないという悪循環になります。当然上手に読めない人は上手に書けませんし、学校の勉強に苦労する人も多いです。

 

今までの話は母国語を読む実験の研究結果ですが、外国語を読むこともまったく同じ過程です。母国語、外国語を問わず、流暢に読む能力はとても貴重なスキルです。乳幼児コースはもちろん読み書きのトレーニングはしませんが、小学生コースの<言語習得>の分野でアルファベットとフォニックスを勉強し、フォニックスで読み解けないよく使う単語をある程度暗記しますので、文字の認識と単語の認識(読み方が瞬間的にわかること)をしっかりと身につけておいてから、<流暢さの促進>の分野に入り、滑らかに速く読む練習を始めます。話せるようになる前に聞く能力を身につけると同様、すらすら書く練習を始めるタイミングはある程度すらすら読めるようになってからが最適なので、小学生の高レベルのクラスから取り入れています。

 

聞き・話し・読み・書きを問わず、流暢さを促進する練習は必ずと言っていいほど、繰り返す練習が多く含まれますので、長期記憶を作る作用もあります。長期記憶を作るほかに、メモリーバンクへのアクセスがスムーズになりますので、単語を聞いたり読んで意味を思い出すまでの時間が短くなります。また、英語を話したり書く時は必要な単語を思い出すスピードも速くなりますので、次回のブログで説明する「意味のあるインプットとアウトプット」に必要なスキルが獲得できます。