EFL Club 校長 ローラのコラム

設立者で校長である私ローラが、子供が英語を習得する道のりなどを書いていきますのでぜひお読みください!

JALT(全国語学教育学会)プレゼンテーション報告

11月21日(土)に静岡で小学生対象の読み書きプログラムに関しての講演を行いました。

 

会場では私の他にも大学教授などによる講演が多数行われていましたが、その中で私の講演では26名の全国の英会話スクールのオーナーや先生方、大学教授の方々が参加されました。

 

f:id:eflclub:20160108124311p:plain

 

40分間の講演と10分間の質疑応答で、主に小学生を対象とした英語の読み書きの教え方、精読(音読)、多読(黙読)、フォニックスなどについての講演でした。

 

JALTの中でも私は無名ではありましたが、多くの方が私の講演内容に興味を持っている様子が見られました。というのも、他の講演ではいつも大学教授の方々によるものが多いため、小学生に関する内容が少ない、という事が理由の一つに挙げられると思います。中高大生、大人向けの読み書きに関するプログラムについてはこれまでも研究されてきていて、ここ5年ほどで研究も大きく進んでいます。しかし、小学生向けに関しては研究が進んでいないのが現状です。私もEFLでフォニックスを使って教え始めた時に、単語カードやレッスンで習っている文章は読めても、本は上手く読めない、それは何故なのか、と壁にぶつかったように、他の色んな教室も、本を上手く読めるようになるには、どう教えれば良いのか、研究が進まず壁にぶつかっているからこそ、今回の私の講演に興味を持った方が多く、講演後の質問も多かったのだと思います。この様子からも、私がこれまで壁にぶつかるたびに研究と改善を重ねてきたEFLの読み書きプログラムは、小学生向けの読み書きに関する学習方法の先陣を切っているのが事実だと言えます。

12月5日(土)には仙台でも同じように講演を行い、全参加者約70名のうちの約3割にあたる20数名の方が私の講演に参加され、静岡同様、大きな反響がありました。

 

JALTとは・・・

国語学教育学会。日本国内や国外での語学教育、学習の向上を目指すNPO法人です。語学教育のアイディアや経験、指導方法などの情報を交換する事を目的としている学会です。

流暢さの促進<読み・書き>

もちろん、聞き話し以外にも読み書きの流暢さを身につけることはとても重要です。早く読めたり書けると、小説、海外の漫画、インターネットなど、英語が一層楽しくなりますし、レッスン以外の時でも英語に触れることができます。また、将来のキャリアにも大変役に立ちます。

 

でも、読み書きは自然と身に付く能力ではありません。聞き話しは環境から学びますので、乳幼児は特に子どもたちは生の英語を週1回でも聞くだけで聞き話し能力が自然と身に付きますが、読み書きは学習する必要があります。外国語だけではなく、母国語でも同じです。 ナチュラルスピードの日本語が聞けない人、ぺらぺら話せない人はいないでしょう。でも、読み書きができない人や得意じゃない人はたくさんいます。

 

最近、人間が読む時のメカニズムがよく研究されていて読むのが早い人の特徴が正確にわかってきました。昔、読むのが速い人は意味のある単語(犬、赤、泣くなど)だけを読んで、文法の役割を持つ単語(まで、を、そのなど)を飛ばすとされていましたが、コンピューターと目の動きを計る機械を使って、母国語の長文を読む参加者の目の動きを観察して、読むスピードを計る実験でリーディングの実態がわかりました。

 

読むのが上手な人は約95%の単語に目が一回留まります。飛ばしながら読んでいる訳ではありません。また、目の左から右へ(言語によって上から下へ)の動きはスムーズではなく、単語から単語へと小さなジャンプして動いています(これを読んでいる人は今自分の目の動きを確かめていませんか?笑)。ジャンプした後に留まった単語に目の焦点を合わせるのに最短0.2秒かかりますので、どんなに速い人でも身体的に1分に300語までしか読めません。もちろんここでは通常のリーディングのことを述べていて、単語を飛ばしながら意味を想定するスピードリーディングは焦点を合わせる回数が少なくなるためもっと速く読めます。どの人でも単語を読み間違えたり、内容が理解できなかったために、既に読んだ部分をもう一度読み直すことがありますが、読むのが上手な人でも、100語を読んだうちに15回読み直します。

 

では、読むのが遅い人はどうでしょう?遅い人は、目が0.2秒以上長く単語に留まったり、ジャンプが必要以上多くなったり、読み直す回数が15回以上あったりするなど、スピードを落とす要因が多く見られます。目が単語に留まる時間が0.2秒以上長い原因は、単語の意味や読み方を思い出すのに時間がかかるからです。単語の認識(瞬間的に読む能力)が低い人は、目が単語から単語へとジャンプするのではなく、音節から音節へ、文字から文字へと動いて読みます。 特に低い人(外国語の初心者や、母国語の文字を習い始めた幼稚園児など)の場合だと、文字の部分を確認しながら読む事が多いです。例えば、丸みが左なのか(d)右なのか(b)、点があるのか(お)ないのか(あ)。そうすると1つの単語を読むのに、2、3、4回以上でもジャンプする必要があります。文字、音節や文字の部分に目が留まる度に、目の焦点を改めて合わせ直す必要がありますので単語を読むのに0.5秒、1秒、2.5秒などと長くなります。当然読むのが遅い人は全体の理解が低くなるため、読み直す回数が増えるので、読むスピードがさらに落ちます。

 

ということで、読むこと(従って書くこと)が得意じゃない主な理由は、文字の認識が低いことです。運動能力が高い人、低い人、音楽の才能が高い人、低い人などの様に文字の認識は人によって異なります。子どもを対象とする仕事を15年間してきて、文字の認識を含むすべての才能は生まれつきのものであることがわかってきました。幸いスタートラインはみんなそれぞれ違いますが、努力すれば高める事は可能です。

 

但し、できることが好き、できないことをしたがらない、というのが人間の特徴です。文字の認識能力が高くない人は文字が好きじゃないので、読み書きをやりたがりません。また文字の認識が高くないと読むスピードが遅く、遅いと読んだ内容の理解が低くなります。そのために読書の楽しさをなかなか味わえなくて、自ら読もうとしません。そして、あまり読まないから文字の認識が高くならないという悪循環になります。当然上手に読めない人は上手に書けませんし、学校の勉強に苦労する人も多いです。

 

今までの話は母国語を読む実験の研究結果ですが、外国語を読むこともまったく同じ過程です。母国語、外国語を問わず、流暢に読む能力はとても貴重なスキルです。乳幼児コースはもちろん読み書きのトレーニングはしませんが、小学生コースの<言語習得>の分野でアルファベットとフォニックスを勉強し、フォニックスで読み解けないよく使う単語をある程度暗記しますので、文字の認識と単語の認識(読み方が瞬間的にわかること)をしっかりと身につけておいてから、<流暢さの促進>の分野に入り、滑らかに速く読む練習を始めます。話せるようになる前に聞く能力を身につけると同様、すらすら書く練習を始めるタイミングはある程度すらすら読めるようになってからが最適なので、小学生の高レベルのクラスから取り入れています。

 

聞き・話し・読み・書きを問わず、流暢さを促進する練習は必ずと言っていいほど、繰り返す練習が多く含まれますので、長期記憶を作る作用もあります。長期記憶を作るほかに、メモリーバンクへのアクセスがスムーズになりますので、単語を聞いたり読んで意味を思い出すまでの時間が短くなります。また、英語を話したり書く時は必要な単語を思い出すスピードも速くなりますので、次回のブログで説明する「意味のあるインプットとアウトプット」に必要なスキルが獲得できます。

流暢さの促進<聞き・話し>

単語や文法などをしっかり学ぶ必要があると述べましたが、4スキル(聞き・話し・読み・書き)における流暢さを身につけることもとても大切です。

 

一般的に英語の単語と文型をたくさん勉強した後に流暢さを高めるという順番になっていますが、せっかく習った英語がすぐに使えない、効率の悪い指導方法です。一方、英語を勉強しながら流暢さを高めていけば、知っている英語が少ないながらもそれを使ってコミュニケーションができます。そのためにネーティブスピードの英語を聞けて、流暢に話したり、すらすら読み書きができるようになるための特別な練習を定期的にする必要があります。

 

<聞き・話し>

「流暢さを促進する」リスニングのアクティビティーの目標は英語のストリーム(言葉の流れ)の中の単語を1つ1つ聞き取る能力を身につけることです。言語習得の臨界期がありますが、特に聞く能力は英語を始めた年齢に大きく影響されます。世界中の言語の音素(音)が認識できる1歳前から英語を始めたお子様は、大変有利です。赤ん坊が外国語の音素を聞き取る能力は世界中でたくさん研究されていますが、私たちも赤ん坊の聞き取り能力のすごさをよく実感します。

 

乳児コースの最大の目標は聞く能力を上げることです。先生はわざとゆっくり話したり、単語や文章を無理矢理に言わせたり、話す練習をしませんが、3~4歳くらいになると、先生が乳児コースの時によく話していた英語を話し出すお子様がたくさんいます。例えば、先生がバッジを置いた場所を忘れて子どもたちに何気なく聞いた時に、1歳半から通い続けた3歳児が「on the board」と答えたそうです。先生が面白がってわざと色々な場所に置いて訪ねたところ、「on the table」や「on the book」などとすらすらと答えてくれたそうです。そのお子様は乳児コースでよく使っている「on the board」だけではなく、単語を入れ替えることまできました!しかも、語句でインプットされているため、「the」を抜かさずに言いました。

 

私も同じような経験をしたことがあります。幼児クラスのレッスンの始まりで子どもたちに天気を聞いたら、「Look out the window!」(窓の外を見て!)と言われました。まさに「そんな怠けないで、自分で見てみろよ!」というような表現で言われましたので、思わず笑ってしまいました。やはり乳児コースから通い続けたお子様でした。このような逸話がたくさんあります。

 

乳児から通い続けている子どもたちは聞き取り能力が高いので、幼児コースから教える単語や簡単な文章の細かいところまで聞こえるため、発音能力も高いです。例えば、「I like dogs.」の複数形の「s」まで言います。聞き取り能力はそこまで高くない子どもたちは「I like dog.」と言いますが、「s」に力を入れてもう一回モデルしたら言えることが多いので、言えない訳ではありません。聞こえないのです。個人差は当然ありますが、乳児コースで英語を始めたお子様の聞き取り能力は本当に高いです。

 

ただし、乳児から英語を始めなかったら、高い聞き取り能力を諦めるしかないということは一切ありません。中学生から始めたお子様でもよく聞き取れる人はいますが、英語を始めた年齢が遅ければ遅いほど難しくなるのは間違いありません。言い換えれば、高い聞き取り能力を身につけることができないリスクが高くなるのと、相当な努力が必要になってきます。

 

英語は特に聞こえにくい理由がいくつかありますが、その中で最も関係しているのは文章のストレス、弱い形(文法の役割を持つ単語の母音が曖昧になること)とリンキング(音節や単語を繋げて話すこと)です。ストレスとは文章の中の特定の単語をより高く、長く、強く言うことです。従ってストレスの入らない単語を低く、短く、弱く言います。この多くの場合は文法の役割を持つ単語(it’s, to, your, theなど)で、弱い形になるため、尚更聞こえにくくなります。ストレスのレベルもありますので、最も強くいう単語(第1強勢)とその次に強く言う単語(第2強勢)があります。例)I want to go shopping for my friends on the weekend.(赤=第1強勢、青=第2強勢)。

 

聞き取り能力の低い人は、「shop」と「friend(s)」が聞きとれても「want」が「to」に繋がるため「to」の「t」がなくなり、「o」が曖昧母音に変わりますので、認識しにくいです。また、「weekend」は第一強勢を受ける単語で聞こえがいいはずなのに、「week」の「k」と「end」の「e」がリンクするため、「ウィークエンド」として発音する人は「ウィーケンド」が認識できない場合が多いです。聞き取り能力がいい人なら、ストレスの入る単語がすべて聞こえます。ストレスを受ける単語は通常意味を持つ単語なので、さっきの文章を見ますと、「ほしい/したい」、「買い物」、「友達」と「週末」が聞こえやすいので、「週末に友達と一緒に買い物したいです。」という意味が取れるでしょう。

 

でも聞き取り能力が優れている人は、文法の役割を持つ単語や細かい音もよく聞こえますので、より正確に理解できます。既に気づいているかもしれませんが、「friend」ではなくて「friends」となっています。複数形の「s」が聞こえることによって、友達が1人以上ということがわかります。また、「with my friends」ではなくて、「for my friends」になっていますので、「友達のために買い物がしたい」という意味です。聞き取り能力が優れている人はすべての単語が聞こえるのでより正確に理解できるという訳です。

 

言うまでもありませんが、聞き取り能力が高い人は発音もたいてい良いです。逆に言えば、聞き取り能力が高くない人は発音が良くなる可能性は非常に低いです。<流暢さの促進>の分野では、ネーティブスピードの英語を聞くトレーニングと流暢に話す(口が回る)トレーニングをします。乳幼児の場合は言語の達人なので、英語のみの環境にさえ毎週入れば、特別なトレーニングは不要です。でも小学生からは、外国語を吸収する能力が急激に下がりますし、習う英語が長く複雑になってきますので、流暢さのトレーニングが必要となります。

 

小学1年生のお子様でも流暢さを高める練習ができます。例えば、<言語学習>の分野で以前習った英語を使って速く話す練習ができるタイムド・スピーキングという、競争心をくすぐる人気の高いアクティビティーがあります。生徒さんは先生か自分で用意した内容を相手に話し、先生が時間を計ります。今度は1回目のタイムを基準にタイムリミットを少し短く設定し、もう一度話し、3回目はさらに短くしたタイムリミット内で話します。先生の前で言うのではなく、ペアを組んでお互いに準備した内容を言います。2回目、3回目はパートナーをチェンジしてやります。新鮮さがありますし、模擬会話の練習にもなります。このアクティビティーを通して、生徒さんが知っている英語を速く滑らかに言える様になります。ちなみに、1度目で間違えたところを先生ではなく、自ら直して、2回目、3回目は正しく言えるようになるお子様もいます。

言語学習

「中学高校で6年間英語を習ったのに英語が話せない」や「ネーティブスピーカーにずっと教えてもらっているけど、大人の世界に通用できる英語を覚えていないし、もうすぐ中学校で英語の成績も心配」といった意見をよく聞きます。もちろん、生徒さんの能力や努力、英語を始めた年齢や習っている年数、先生の腕など色々な要素が関係していますが、たいていカリキュラムに大きな原因があります。本格的な英語能力を伸ばすためには、4つの学習分野を万遍なく取れ入れたカリキュラムに沿った指導を受けることがとても重要です。4つの分野とは言語学習、流暢さの促進、意味のあるインプットと意味のあるアウトプットです。

 

言語学習:英語の単語や文法などの言語知識を学ぶ。

②流暢さの促進:ネーティブスピードの英語を聞いたり、英語を早く話したり、読んだり書く練習をする。

③意味のあるインプット:多量の英語を聞いたり読む練習をする。

④意味のあるアウトプット:多量の英語を話したり書く練習をする。

※言語習得を研究するポールネーション博士がこの4つの能力を述べて、Four Strands「4筋」と呼んでいますが、私は英語能力を支える物としてイメージしているので、英語能力の4つの柱と呼んでいます。

 

どの先生も<言語学習>に重点を置いて、たくさんの単語や文法のルールなどを教えていると思います。でも、広く教えるだけではなく、深く教えることもとても大切です。単語をたくさん習っているのに使えない人が多くいますが、たいていの場合は単語を浅く勉強しているからです。単語を学ぶ時は意味、話し方、書き方と使い方をしっかり勉強しなければなりません。1つでも抜けていればその単語は使い物になりません。例えば、enjoy「楽しむ」という単語は日本で幅広く使われていますが、正しく使える人は少ない様に思えます。意味と書き方(綴り)はたいてい問題がありませんが、話し方(発音)や使い方に間違いが多いです。

 

発音はエンジョイかインジョイ(個人差あり)で、日本語の音に近いので比較的に発音しやすいです。でも単語の正しい発音に、音素1つ1つの発音だけではなく、アクセントや母音の弱化なども関係しています。Enjoyには弱化した母音はありませんが、アクセントが第2音節に入りますので、正しい発音はエンジョイではなく、エンジョイです。自然な話し方ができれば、文章の中でも聞き取れて、話す時も相手に通じますので、よい発音を身につけるのは大切なことです。ちなみに、日本人の英語が聞き取りにくい理由は、たいてい音素1つ1つの発音が言えないからではありません。単語のアクセント、弱化した母音の発音やリンキング(単語を繋げて話すこと)がうまくできないからです。

 

Enjoyの正しい使い方に品詞や連語が関係しています。Enjoyは他動詞なので、必ず目的語と一緒に使わなければなりません。例)enjoy cooking「料理を楽しむ」。また、myself, yourself(私自身、あなた自身)などがenjoyの目的語としてよく使われますが、日本語では「自分自身を楽しむ」という言い方をしないので、I enjoyed myself at the party(正しい)が I enjoyed at the party(目的語が抜けているため間違っている)になりがちです。

 

実は<言語学習>の分野をしっかり教えている先生は少ないです。日本人の先生の多くは、単語と文法をしっかり教えていますが、音韻学、正書法、機能と談話*の勉強が不十分のため、生徒さんは知識をたくさん知っているものの、使えません。一方、一般のネーティブスピーカーの先生は、英語は自然に話せますが、英語を外国語として教える方法は知りません。生徒さんは生の英語を聞いたり、話す機会はありますが、徹底的に指導してもらえないので、言語知識や応用性が身に付かず、なかなか初級レベルから抜け出す事ができません。*音韻学=音素の発音、母音の弱化、リンキング、抑揚などを含む自然な話し方の勉強;正書法=単語の綴りと発音を結びつける方法(アルファベットとフォニックスを含む)の勉強;機能=言語の機能(依頼、誘い、断り、命令など)とその機能を持つ表現の勉強;談話=パラグラフ、長文、会話などの結束性や辻褄(つじつま)の勉強。

 

英語のレッスンに通って挫折したり、金銭的や時間的な理由で独学を頑張る方はよくいます。私も日本語をたくさん独学してきましたので、効果があることはわかりますが、まず中心となるのはプロフェッショナルによる指導です。ゴルフが上手になりたい人は、プロのレッスンを受けて、姿勢、クラブの持ち方、打ち方などをしっかり勉強してからレッスンで学んだテクニックを磨くために打ちっぱなしに行きます。ゴルフのレッスンを受けずに友達に教えてもらったり、打ちっぱなしからスタートする人は当然いますが、間違ったフォームや打ち方を覚えてしまいがちで、後で直すのが大変だそうです。英語も一緒です。まずプロのレッスンを受けることをベースにして、独学も併せれば、成果が上がるでしょう。

 

言語学習>は4柱の1本にすぎません。ビルを支える柱が同じ長さではなければビルが崩壊すると同様に、言語習得の4柱が互いに支え合って、1つでも抜けていたり弱わっていると、全体的なコミュニケーション能力が弱くなります。それぞれの分野がカリキュラムの約4分の1を占めるべきだと言われています。

 

但し、知能がまだ未発達な乳幼児は違います。単語、文章、機能表現(決まり文句)、アルファベットなどを教えるのは特に幼児クラスには適していますが、内容と教え方を子どもたちの年齢に合わせることが大切です。EFLクラブでは単語と機能表現の意味と発音を幼児クラスで教えていますが、書き方や使い方にはまったく触れていません。文章も先生がモデルした後に子どもたちが真似して話す練習をするだけで、文法の観点からの勉強は一切しません。幼児クラスで教える内容をすべて小学生クラスで徹底的に教えますので、幼児クラスでは言語学習への導入程度のものに抑えて、ほかの能力を高めることに力を入れています。

 

乳児クラスではもちろん言語学習の勉強は一切ありません。英語が身に付いているかどうかを単語や文章を言わせて判断したくなる保護者の方がいますが、乳児は言語を違う方法で覚えるから(乳幼児の言語習得について別のブログで詳しく書く予定)、単語や文章を教えるのは無意味です。乳幼児とも言語学習の勉強よりもほかの分野の能力を磨いた方が後で高い成果を出しますので、焦って単語や文章を教え込むのは効果があまりありません。

 

たいていの大人は英語の学習に専念した指導を多く受けていて、残念ながら流暢さの促進と意味のあるインプットとアウトプットの分野における練習は十分にしていません。英語をしっかり覚えているのに、聞き取れなかったり、言葉が出てこないなどという人はいませんか?流暢さが欠けているからです。私も散々経験したことがあります(前回書いたブログの<私と日本語>をご覧ください)ので、共感できますよ!また、勉強中の英語の文章を1つか2つくらいなら聞いて(読んで)理解したり、話す(書く)ことができますが、映画や会話についていけなかったり、長文を読んだり書くのが苦手の人は、インプットとアウトプットの能力が不十分です。その場合は新しい単語や文法などの勉強に入らずに、まず流暢さ、理解力と意思疎通能力を伸ばして、能力のバランスを整える事が重要です。

広告を非表示にする

アメリカン・ イングリッシュ? ブリティッシュ・ イングリッシュ?

英語を習うならアメリカンイングリッシュがいいという方が時々いますが、そこまで気にする必要はありません。アメリカンイングリッシュの元となるのがブリティッシュイングリッシュなので、文法はほぼ同じです。アメリカンイングリッシュとブリティッシュイングリッシュの教科書を比較すれば、内容がほぼ同じであることがわかるでしょう。EFLクラブでは教科書を選ぶ条件は英語の種類ではなく、学習内容、ティーチャーズブックの良さ、付属教材の有無などです。小学生コースにアメリカンイングリッシュ、中高生コースにブリティッシュイングリッシュの教科書を使ったことがありましたが、混乱はありませんでした。皆様が思っているほど大きな違いがないからです。

 

先生が生徒さんと話す時は普段から話している英語を使いますが、単語や文章を勉強する時は教科書通りの英語を教えます。生徒さんの年齢によってアメリカンイングリッシュとブリティッシュイングリッシュの違いを説明することがあります。例えば、小学生コースのレベル5の教科書にvacationという単語が載っていますので、意味、発音、綴りと文の中での使い方を教えて練習させます。でも、オーストラリア人である私は、レッスン中の会話ではvacationではなくholidayを使いますので、生徒さんはvacationもholidayも覚えることができます。

 

アメリカンイングリッシュにこだわる多くの人は、発音を気にしています。しかし、発音は国籍では決まりません。同じアメリカ人でも、東海岸生まれ、西海岸生まれや南部生まれの人は互いに随分発音が違います。また、ボストン生まれの人は実際にブリティッシュイングリッシュによく似ている発音で話します。一方、英国にはアメリカンイングリッシュの「R」と同じ様に発音する地域があります。

 

EFLクラブでは先生の国籍を問わず、英語が母国語であること、人柄、教え方の質などの条件で選びます。いろんな国籍の先生を雇っていますが、生徒さんは先生の発音に戸惑うことはありません。小中学生の何人かに先生の発音に対する感想を聞いてみたことがありますが、「先生の発音はそれぞれ違うけど、特にわかりにくい発音はない」、「すぐ慣れるから問題ない」、「聞き取りにくいと感じたことがない」、「たくさんの発音を聞いてきたお陰で、学校のALTの先生や留学先の英語が簡単に聞き取れた」などの感想ばかりでした。困っているという人は一人もいませんでした。

 

英語をきちんと習得することが一番重要です。アメリカンやブリティッシュにこだわるのではなく、あえて色んな国籍の先生に教えてもらいましょう。そうすると、世界中のネーティブの英語の発音に慣れることができて、相手がアメリカ人、イギリス人、英語を外国語として覚えたアジア人など、何人でも、意志疎通ができるでしょう。

「私と日本語」ステージ3

オーストラリアで次女が生まれて、4ヶ月間は家族4人で幸せに過ごしましたが、突然次女がけいれんを起こし初めました。病院で脳波、MRI、PETスキャンなど色々検査をした結果、ウェスト症候群だと診断されました。日本でレーザーによる脳の手術を行っていると聞いて日本に戻ってきましたが、あいにく娘の病状には適応しませんでした。北海道でいろいろな病院を回って、最終的に市内にある小児センターでお世話になる事になりました。そこで検査や治療を続けていて、一時的に発作を止める事ができましたが、1年後にまた再発しました。

 

日本は小児難治てんかんの治療や抗けいれん剤がオーストラリアほど進んでいなかったので、不安になり難治てんかんの治療や発達障害を持つ子供の訓練を自ら調べ始めました。主に海外から取り寄せた保護者向けの本、研究報告や専門知識の本などを読み、初めは読むのに苦労しましたが、段々知識が増えて全体的に理解ができるようになりました。そのうち日本語の本もいくつか読み始めて、当然英語よりも難しくて、単語10個に1つくらい読めなかったので、片手に英和・和英の医療の辞書を持ちながら読んでいました。愛する娘のためじゃなければすぐ諦めましたが、根気よく頑張り続けましたので、日本語の医療用語が段々わかってきて、読むのも早くなり理解できるようになりました。娘が2歳3ヶ月の時に3女が生まれましたので、次女の病気に専念できなくなりましたし、治療も諦めつつありましたので、医療の本を読むのをやめましたが、たくさん読んだお陰で日本語を読む能力が結構高くなっていました。

 

3女が産まれてすぐEFLクラブを開校しました。仕事上で英語教育や子供発達などについて話すようになりましたが、言語習得や発達に関する単語が足りなさすぎて、英語習得やお子様のレッスンの様子などを保護者の方に説明するのに苦労しました。しかし、毎日のことなので、単語を覚えるスピードが早くて流暢に話せるようになりました。そこでまた別の日本語の問題がでてきました。

 

々子供の英語習得への道のりの知識が増えていくにつれて、保護者の方に伝えたい気持ちも強くなりました。英語ならば話し方をうまく調整しながら自分の意見や意思を相手に伝える事ができますが、母国語じゃない日本語となると相当手こずりました。理解してもらいたいと思って強く言い過ぎて相手を怒らしては、今度はやんわり言おうと言い方を探しながら話し、あいまいすぎて相手が私の言おうとしていることを十分理解できなくなるなど、なかなかその調整がうまくいきませんでした。ましてやメールの普及に伴い、保護者の方とメールでのやり取りが増えましたので、表情、身振り手振りや言い直しに頼らず、少ない言葉の数で相手に意見を伝えるのは本当に難しいと痛感しました。日本人スタッフの言い方や自分の娘たちの懇談の時の先生の話し方を注意して聞いて真似ようとしますが、未だに勉強中です。

 

学校や大学で日本語を勉強する機会があって本当によかったと思っています。しかし、単語、文法や読み書きなどをしっかり教えてくれてよかったですが、全体的な理解力、意思疎通能力と流暢さを伸ばすような練習は少なすぎたため、日本にきた時に聞き取りや会話に本当に苦労しました。やはり言語は知識と能力をバランスよく勉強しなければ使い物にはなりません。

「私と日本語」ステージ2

叔父が名古屋にある会社と取引をしていましたので、その社長の家でホームスティをすることになりました。ホームスティの家族は社長、奥さん、私と同年齢の娘さんとおばあちゃんの4人と犬2匹でした(残念ながらその一匹もローラと呼ばれていた)。皆さんは優しかったですが、なかなかコミュニケーションが計れませんでした。お父さんはゆっくり話してくれましたが、あまり家にいませんでした。娘さんも好きでしたが、彼氏に夢中でいつも自分の部屋に閉じこもって長電話をしていました。おばあちゃんは私に何度も話しかけてくれましたが、よく理解できなかったので、段々話しかけてくれなくなりました。一番よく関わったのはお母さんでした。とてもきれいでいつもおしゃれに服を着こなしていて、素敵なお母さんでした。お母さんも私も会話をよく頑張っていたと思いますが、今一コミュニケーションができず、段々お互いにいらいらしてきました。

 

毎晩自分の部屋で日本語を必死に勉強しましたが、状況があまり良くなりませんでした。実はお母さんは関西弁で、お父さん、娘さんとおばあちゃんは名古屋弁で、皆さんが私にそれぞれの方言で話していました。自分の話し方を相手のレベルに合わせるのは実に難しくて仕方がないと思っていますが、もう少し言葉を選んでゆっくり話してくれればもっとコミュニケーションができたと思います。段々寂しくなってきたので、3ヶ月間でホームスティを出て、友達の家に居候してから、自分でアパートを借りました。

 

ホームスティを出てからは、日本語を使う機会が減り、一時的に日本語の上達が遅くなりました。でも少しずつ日本人の友達が増えたり、日本人の彼氏もできて、名古屋学院という私立の男子中学校・高等学校で英語の講師として働き始めましたので、日本語を聞いたり話す機会がグンとまた増えました。

 

しかし、聞き取り能力が低くすぎて、相手の言っていることがなかなか理解できませんでした。また知っている単語が少なすぎたので、単純な文章なら言えたものの会話能力はあまりありませんでした。でも上達する意欲が高くて毎日必死に頑張りましたので、少しずつ少しずつ聞き取り能力と単語のレパートリーが増えて、それに伴い話す能力も上がりました。当然周りが名古屋弁ばかりなので私も名古屋弁になりましたが、旅行中や県外の人とはちゃんと標準語で話しましたので、標準語と名古屋弁を区別しながら覚えていったようです。名古屋を離れてからも当分名古屋弁を使っていましたが、次第になくなり、今は名古屋に旅行する時だけ出てきます。

 

生活の中で新しく出会う単語を家で復習したり、積極的に日本語を話そうとする努力を重ねて行くうちに、日本語が見る見るうちに上達しました。日常会話レベルまでは3~4年間かかりましたが、今振り返ってみればとても充実した楽しい時でした。

 

来日5年目の時に、4年間英会話を教えていた会社からおいしい話がありました。本社が名古屋にある商社で、アメリカに支店ができたばかりなので、英語ができるスタッフが必要となり、私を正社員として採用したいという話です。私にしてみれば2度とないチャンスで喜んで入社し、東京支店に転勤して、海外事務所に所属することになりました。

 

そこでまた大きな壁にぶつかってしまいました。ビジネス用語は普段の生活でなかなか出会いませんので、ほとんど知りませんでした。ましてやエンジニアリングの商社なので工業用語も必要でした。でも一番苦労したのは敬語でした。敬語は大学で勉強したので、一応作り方や使い方を知っていましたが、使う習慣はあまりありませんでした。また常体(だ・動詞や形容詞の終止形で終わる文体)と敬体(です・ますで終わる文体)の適宜な使い方がわかりませんでした。中学高校と大学では敬体を話す練習をしましたが、日本にきてからは形式張った日本語を使う機会がほとんどなく、友達とは常体で話していましたので、敬体の日本語で流暢に話せませんでした。

 

また、英語の場合は相手が目上でも仲が良ければ常体で話し、逆にあまり知らない人や親しくなりたくない人とは距離をおくために敬体を使いますので、親しさを感じる相手であれば、例え上司でも、敬体で話すのにとても抵抗がありました。常体と敬体を混じって話したり、時々敬語に変わったり、興奮して名古屋弁も出たりしましたので、妙な日本語だったと思います。

 

私の日本語を美化したのは主人でした。東京支店で知り合いましたが、北海道営業所を作るためにすぐ札幌に転勤となりました。1年弱遠距離恋愛をして、結婚が決まってから、会社をやめて札幌に引っ越してきました。主人は元々北海道の人で、標準語に近い日本語を使います。敬語、丁寧語などを上手に使いこなせる人なので毎日彼の日本語を聞いて、常体と敬体の使い分け方や敬語の使い方が段々と身にしみ込んできました。

 

6年間かかりましたが、ようやくネーティブスピードの日本語でも聞き取れて、瞬間的に理解し答えるようになりました。単語や慣用表現もかなり覚えましたので、日々の生活に苦労することないくらいまで日本語を伸ばす事ができました。

 

結婚し家庭を築き、1年後に長女が生まれました。札幌に知っている人がいなかったので、話す相手は主人と娘しかいなくて、娘が生後半年の時に3人で2年半オーストラリアに行くことになり、日本語を使う機会が大分減りましたので、日本語を勉強する必要性を感じなくなりました。